2020-10-08
大阪豊中市・天満橋のパン屋さん、パトリエフクモリの福盛尊子です。
パン屋さんでよく見かける『天然酵母』
たくさんの天然酵母が存在しますが、一体天然酵母って何なんでしょうか?
正しく分かれば選び方が変わります!
天然酵母って何?
イーストと天然酵母の違い
天然酵母もイーストも酵母
正しい知識
天然酵母は安全安心?
イーストは健康に悪い?
世界の天然酵母
サワー種
ホップス種
酒種
果実種
ルヴァン種
シャンパン種
パネトーネ種
海洋酵母
天然酵母って何??
ぶどう等の果物や自然の物からとった酵母菌を発酵したもの。
天然酵母としてスタートしたのは、酒種菌。これを使った某ベーカリーのさくらあんぱんが
大ヒットしたことから天然酵母が広まりました。
元々は、エジプトで放っておいた生地が発酵した事により発見されたのが始まりとされています。
では、イーストと天然酵母って何が違うんでしょか?
写真引用:cotta
イーストはもともと自然界に存在した野生酵母の中から製パンに適した優良菌株を抜粋して純粋培養しています。特に、生イーストは発酵力が強く安定しているので、通常、大量生産されたパンに使われています。
引用:おいしいパンの百科事典
パン業界では製パン用酵母の事をイーストと呼んで使ってますが、一部の消費者にイーストと
酵母は違う!!と認識され天然ではないから安全ではないと間違った認識がイメージが先行してしまっているのが現状です。
実際に7割程の消費者が天然酵母は安全安心と認識しているというデーターも出ている程です。
しかしながら、イーストも天然酵母も同じ酵母になります。
天然酵母は安全?
ベーカリーで使っている天然酵母は安全です。
天然酵母というのは、名の通り天然のものを使って酵母(発酵)させます。それには
衛生管理や温度管理を徹底する必要があります。それでもカビが生えたり酵母自体が弱ってしまったりパンが膨らまないという現象が起きたりします。
又毎日手入れをしないといけないので、2~3日放置すると弱ってしまう程管理が難しいとされています。
イーストは体に悪い?
結論から言うと、体に悪いという事はありません。
元は自然の酵母です。それを安定的に使う事が出来るよう研究に研究を重ねた培養方法で
種次をしているだけです。これも天然酵母なんです。
管理体制を徹底しているので、とても安心して食べられるのです。
また、現代では研究も進化しているので、より安全安心な安定したイーストになっています。
サワー種
・グルテンのないものを発酵させる為にある種で、ドイツで誕生しました。
ライ麦を70%以上入れるとイーストのガスを包む事が出来ません(グルテンがないため)
イーストの代わりにサワー種を入れるとグルテンが不要になり発酵します。
酸味、甘味を出すのが特徴!!
2つの要素:グルンサワー(酸味が強くなる)とホルンサワー(甘みが強くなる)が
サワー種には存在し、どのような味を出したいのかで使い方が変わります。
糠を作るように、店でつぎながら使っているのがヨーロッパのサワー種
日本では古いドイツパンを作るお店などでは使われてますが、種次が難しいため
種(ドライ)を買う事が多いです。
ホップス種
・ビールを作る為のホップ、じゃがいも、りんごで7日間酵母を作った物がホップス種
香りはビールの香りでよく食パンに使われる。
日本が主に使われている種で、日本が開発したもの。
酒種
・米麹から作った種 酒を作る工程と同じで泡が吹いてきたら種として出来上がり。
空気のきれいな場所でしか製造する事ができない為、1年に1回酵母を空気のきれいな
場所に連れていき、種次をする。あんぱんによく使われる種で甘いパンに適している。
果実種
・ぶどうが有名。実と皮の間にある菌が発酵して出来る天然酵母。
ヨーロッパ等ぶどうがよく作られる地域でよく作られている。 甘いパンやハードに
よく使われ、個人でもよく作られる天然酵母。1週間~10日程で発酵するため
簡単に作られる事から、パン教室などで用いられる事が多い
ルヴァン種
・小麦、塩、イーストを入れて発酵させた物をルヴァンといいます。
イーストが入っていない物はルヴァンナチュレ-ルと言われている、フランスでは
一番主流で使われている。温度管理が非常に難しくヨーロッパの気候だから出来ると
いっても過言ではない。
シャンパン種
・フランスランス地方のシャンパン用のぶどうから作ったイースト。
シャンパンのように甘くさわやかな風味が特徴で、フランスパンに使われる。
日本には入ってきておらず、ランス地方でしか食べられない。
パネトーネ種
・イタリアでもっとも古い種。クリスマスのブログでも紹介したパネトーネはこの種が
ないと作る事は出来ません。
パネトーネ種とは、ヨーグルトが原料で、ヨーグルトに小麦と水を混ぜて寝かせる
20日程新しい種を入れながら継いでいくことでパネトーネ種が出来上がる。
パトリエフクモリはイタリアから持って帰ってきたパネトーネ菌を50年以上にわたって
継ぎ続けているものを使っています。
年月が長くなる程ぬか床のように風味が強くなっていくことで、管理は非常に難しいが
大切に継いだ種は、ベーカリーにとって財産となります。
生イースト(海洋酵母イースト)
日本近海の海水から世界で初めて分離された爽やかな香りの海洋酵母。
世界でも初めての海洋からの酵母は、イースト臭が少なくソフトな食感でさわやかな
香りが特徴
天然酵母は、一見よく見えるし安全と思われがちですが、
きちんとした温度管理、衛生管理をしなければカビが発生し、衛生状態が最悪な事になります。又1日
も休む事なく継いでいかなければいけない為、非常に忍耐も必要となります。
その救世主がイーストと言われる菌。このイーストのおかげでパン業界は非常に助けられ
安心して皆様にパンをご提供する事ができるのです。
天然酵母を使ったパンを作っているベーカリーはとてもしびやに管理をしているので
あまり多く使いたがらないのが現状です。
いかがでしたか?
パトリエフクモリでもより体の良いものをと、材料にこだわっています☆
気になる事は随時ブログに上げていく予定です♪
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